絞り値と焦点距離と被写体までの距離と『ぼけ』の関係

2016年10月30日日曜日

絞り値と焦点距離と被写体までの距離と『ぼけ』の関係

これを体感で理解することがレンズのポテンシャルを最大限生かせるかどうかの差になります。
なので『へぇ~そうなってるのね』となるまで、とりあえず読んでみてほしいです。
これが分かっていれば、キットズームレンズで↑な写真が撮れます。



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レンズのスペックで、とりあえず分かればよいのは焦点距離と絞り値だと思います。
(あと換算値はこちらを読んでよくと良いです。)


この2つと被写体との位置関係が分かれば、『ぼけ』のある写真が撮れるようになります。


前半は、図とか式とかが出てきて、読みたくなくなる人が出てくると思いますがガマンです。ガマンできない人は、ここから読んで!という所から読み始めてください(苦笑) 

※この記事では、各項目と被写界深度の関係(=なぜぼけるのか?)は説明しません。ご了承ください。
 

 ☆とりあえず実際のカメラを見てみましょう。




このレンズは、AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8Gというレンズです。
35mmの焦点距離のレンズで、最小のF値は1.8であることを示しています。
ほかのアルファベットはメーカ独自の表現なので気にしないでください。

 F値は最小の値が書かれています。これは、写真を撮る際に影響があるのが最小の値であることが多いからです。みんな気になるポイントなので最小で書きます。

そして、F値が小さいほど写真はピントが合う部分が狭く『ぼけ』やすくなります。
つまりホワホワな写真になります。このあたりはこちらで。
この、ピントが合う距離の範囲を『被写界深度』と言い、範囲が狭いことを『被写界深度が浅い』、範囲が広いことを『被写界深度が深い』と言います。(実例はこちら)

では、F値と焦点距離の関係はどうなっているのでしょうか?

ここで、レンズの光の通る部分の口径(直径)をφD(φとは円形ですよという意味)、焦点距離をfとして関係を示すとこうなります。

 そして、数式はこうなります。
 

焦点距離f=35mmで、F値の最小が1.8なので、Fが1.8になるまでφDを大きくできます、ということになります。それだけぼけやすくなるということですね。とりあえずF=1.8にします。

さっきの式は、1.8=35mm÷φD となります。
D=19.4mmとなります。※1 口径自体にあまり意味はないです。

レンズの近くについた黒い板が絞りです。これを狭くします。本当は円形なのであしからず。

光が入る範囲の直径がさっきの半分φD/2になりました。
この時のF値を計算すると、35mm÷(19.4÷2)=3.6となり、絞り値が大きくなりました。

このように口径を狭くすると絞り値が大きくなって、被写界深度が浅くなります。
口径を広くすると絞り値が小さくなって、被写界深度が深くなります。
※2
これが、おおよその絞りのイメージです。

なので、

絞りを開ける = F値を小さくする

絞りを閉じる  = F値を大きくする

と表現します。覚えておきましょう。


★ここからは説明をごまかすぞ!

☆ 焦点距離とぼけの量


ぼけの量は焦点距離とも関係があります。ここから先の話は、錯乱円の考え方を導入しなければならず、そこまでは必要ないのではないかと考えています。ですので、実例を見てみます。





構図が少し違いますが、勘弁してください。

上が、200mm f/8で撮った写真。下が55mm f/8で撮った写真。
そして撮った位置(ダンボーまでの距離)が異なります。
200mmの時の方が遠く、55mmの時の方が近くなっています。

細かい説明はこれだけのことを理解しないといけないですが、それは置いておいて。

焦点距離と被写界深度の間には、焦点距離が長くなればなるほど被写界深度が浅く、短くなると被写界深度が深くなる関係があります。

ここで重要なのは換算値ではなく焦点距離です。
なので、換算値が同じでも焦点距離が短くなるマイクロフォーサーズのほうが、
フルサイズカメラよりもぼけにくい、というのはここが理由となります。


☆被写体までの距離とぼけの量


近くの物にピントを合わせて撮るほど、被写界深度が浅くなるという関係があります。
そして近くにピントを合わせて、遠くのものが写り込むと『遠くのものがよくぼける』ことになります。

逆に遠くのものにピントを合わせると、被写界深度が深くなって、背景はぼけにくいということになります。


なので、ぼけないので使うべきでない、みたいな言われ方をしている可哀そうな
AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR IIだって、55mm f/5.6設定で、





これぐらいの写真が撮れます。(逆を言うと、これぐらいが限界か?)
55mm f/5.6は、このレンズで被写界深度が最も浅い設定になります。この状態で、被写体を寄せて、できるだけ遠い物を配置した写真になります。

☆ここから読んで!

まとめると、


F値は
小さくすれば、背景がぼける!
大きくすれば、ピントが合う範囲が広がる!

焦点距離は
長くすれば、背景がぼける!
短くすれば、ピントが合う範囲が広がる!

被写体は
近くに置けば、背景がぼける!背景が遠いと、もっとぼける!
遠くに置けば、背景がぼけにくい!


こんな感じになります。

なので、

焦点距離を長くして、絞りを開放して、被写体に寄ったら、背景がぼけやすいです!





☆最後に

いかがだったでしょうか?説明をごまかして申し訳ないです。
しかし、さすがに錯乱円まで理解する必要は無いかなと思いましたので、
ざっくりと説明しました。(理解も足りていないし)

とりあえず、いろいろ試していただいて、
感覚で掴んでいただくのが必要かと思います。
とりあえず、望遠にして寄ってみてください。写り方が変わるかと思いますよ。


※1 そう!F値は無次元なんです!これを見て気が付いた人は鋭い!
※2 ぼけやすいF値が小さいレンズは大口径という理由はこれを読めば分かるはず!


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